✿細男舞・神相撲(くわしおのまい・かみずもう)の神様①

 

 ここ最近は、祇園大神様、住吉大神様について書きましたので、引き続いて当社御祭神、細男舞・神相撲(くわしおのまい・かみずもう)に登場されるお神様たちについて説明して行きたいと思います。

 

◎天御中主大神(あめのみなかぬしのおおかみ)

 

 天御中主大神は、高天原(たかまのはら)という神々が住む天上世界の主宰神です。

 『古事記』によると、天地のはじまる時、最初に生じた神様だという事です。ただ、現れた後に身を隠したとあり、その後の神話には登場されません。

 しかしながら、別天神(ことあまつかみ)とも言われ、特別なお神様であることは間違いありません。

 また、北極星、北斗七星を神格化した神様でもあり、妙見様というお名前で呼ばれることもあります。

 

 

◎大国魂大神(おおくにたまのおおかみ)

 

 大国魂大神は国土そのものを神格化した国土の御神霊でいらっしゃいます。

 ここ豊国(とよのくに)には、豊日別大神(とよひわけのおおかみ)というお神様があって、この大国魂大神は同じお神様であると考えられます。

 

 

 

◎伊邪那岐大神・伊邪那美大神(いざなぎのおおかみ・いざなみのおおかみ)

 

 伊邪那岐大神・伊邪那美大神は記紀神話における実質的な創造神で、具体的なお働きをされる最初の人格神です。

 両神は日本で初めての夫婦神となられ、大八島国(日本の国土)をお生みになります。次いで、自然界に必要な数々のお神様を生れます。この後、日本神話は岐美両神を中心に劇的に展開します。

 

 イザナミノ大神は、火の神カグツチノ神を生んだ事により亡くなります。夫のイザナギノ大神はイザナミノ大神を葬ったものの、その恋しさからイザナミノ大神がいる黄泉国を訪れます。しかし、イザナギノ大神は、醜い姿に成り果てた妻の姿に恐れをなして逃げ出します。地上に戻ったイザナギノ大神は、黄泉国の穢れを落とすために禊を行われます。その際にも多くの神々が生まれ、最後に三貴子・アマテラス大御神、ツクヨミノ尊、スサノオノ尊がお生まれになるわけです。

 

 ちなみに、この黄泉国訪問のところで、人の死の起源も語られています。

  

 ところで、『日本書紀』本文には、イザナミノ大神の死は語られていません。三貴子もイザナギノ大神の禊からではなく、両神の御子として誕生されます。

 

 いずれにしても、伊邪那岐大神・伊邪那美大神両神は、皇御祖神(すめみおやかみ)とも言われ、国土国民の親神様と考えられています。

 

 

海上放生会・船上での御舞
海上放生会・船上での御舞

 以上四柱のお神様は当神社では、東御殿・四十柱神社にお祀りされています。

 細男舞・神相撲においては、一番はじめに登場され、舞を舞われます。

 

 天と地を司る神様、万物の親神様が最初に舞を舞われるという構成になっているわけです。


夜の部 神舞殿において
夜の部 神舞殿において